卵子提供

卵子提供

卵子提供

卵子提供は、さまざまな理由でご自身の卵子を使って妊娠することが難しい女性とそのパートナーにとって、子供を持つという夢を実現するための重要な手段となっています。この記事では、卵子提供のプロセスや成功率、有用性についてご紹介したいと思います。

卵子提供のプロセス

以下のステップで行われます。

  1. ドナー選定
    卵子ドナーは、事前検査を経てドナー登録された健康な生殖年齢の女性です。
    レシピエント(提供を受ける方)はカウンセリングを受けた後に、ドナープロフィールの閲覧・選定に進みます。
  2. 排卵誘発・採卵
    ドナーの月経周期に合わせて卵巣刺激を行い、卵子を採取します。
  3. 卵子の提供
    採取された卵子は、一般的には、未受精の凍結卵子の状態で提供されます。
  4. 卵子融解・胚移植
    凍結卵子を融解し、レシピエントのパートナーの精子あるいはドナー精子を使用して顕微授精を行い、得られた受精卵(胚)をレシピエントの子宮に移植します。

成功率について

ドナー卵子を使用して妊娠・出生に至る確率(生産率)は、アメリカ疾病予防管理センターの発表によると、レシピエントの年齢にもよりますが概ね50%~70%です(下図)。
日本では実施数が少ないため統計的に有意なデータがないのが現状ですが、同等の成功率が見込まれると考えられます。

出典:2003 ART Success Rates in USA(Centers for Disease Control and Prevention)

卵子提供の有用性

卵子提供の最大の有用性は、多くのカップルや個人にとって家族を持つ夢を実現する手助けとなることです。
不妊治療でなかなか結果が出ないカップル、特に女性の年齢や卵巣機能の低下が原因である場合には、卵子提供が有効な手段となり得ます。
また、遺伝性疾患を避けるためにも卵子提供は有効で、女性が遺伝性疾患の保因者である場合、保因者ではないドナーの卵子を使用することで、子供がその遺伝性疾患を持つリスクを大幅に減少させることができます。
さらに、現代社会では家族の形は多様化しており、同性のカップルやトランスジェンダーのカップルなど、さまざまな家庭が存在します。そのようなご家族が子供を持つためには、卵子提供が唯一の方法となる場合もあります。

卵子提供は希望と未来を繋ぐ架け橋

卵子提供は、子供を持つという夢を実現するための強力な手段であり、現代社会における新しい家族の形を支えています。
卵子提供を検討している方々にとって、この選択肢が明るい未来への扉を開くことを願っています。